DREAMERS AGAIN   SCENE.3


あいつは、女に逢いに行くことしか頭に無いのさ。女?高松に住む元同級生のことさ。
あのマシンもその為に買ったみたいだぜ・・・・大型二輪免許を取ったのも当時最速と

呼ばれていたZZR1100を買ったのも全てその為なんだ・・・」






 「2年前、俺は当時最速のマシンZZRイレブンで中央道を西に向かっていた



深夜の高速道路にやたらと多い大型トラックを掻き分けながら走る



午前2時、岡谷ジャンクションを過ぎ、伊那谷に入る。

伊北インターから長いストレートが始まる。



夜の海を潜る様なスピード感も上下感も麻痺した中でアクセルを開ける。



メーターが250からゆっくりと針が離れて290を指し始める


この調子ならあと30分もせずに恵那山トンネルをくぐれる・・・


突然、前方を走っていたR32(スカイライン)のGT-Rが急ブレーキをかけた
ブレーキをかけるが手応えは全く無い・・・
スピードメーターの針は180から落ちない





俺は「石」になっていた・・・・・・。」




夢か・・・。
昨日届いた俺宛の手紙。
宛名は書いていなかったが、あの特徴のある文字は真奈美だ。







気が付くと、近くのバイクショップをやってる友人、シャープ宅に俺はいた
「オマエ、また乗るのか!?冗談じゃねえぞ!やめろ!」

シャープは怒鳴る。聞こえぬ振りをしてバイクの前に佇んで呟く
「こいつは速そうだな。」
シャープは返す刀で
「まさかまた悪い病気が始まったのか?どこの女だ?」
俺はただ一言
「コレいくらだ?」
奴は呆れながら答える
「けっ、懲りねえ奴だ。一体何度痛い目にあえば気が済むんだよ。遠距離恋愛なんて無理だぜ!」
最後の一言に俺は過剰反応をした
「もういっぺん言ってみろ。」
年のダチでも俺という男がわかってねえみたいだな」
「俺も気付いたら18になってたんだよ。

せめて俺がこだわり続けたものにはケリをつけたい」
「そんな時、あいつから手紙が来たんだ

奴は諦めた顔をして
「いいよもう・・・わかった」
「まったくしょうがねえ野郎だ!その女とつきあうのかよ」
と言う。



「さあどうかね。でもあいつからの手紙がキッカケなのは確かだな」






高松行きのマリンライナーの車内に真奈美がいた
「あの人、私からの手紙読んでくれたかしら・・・・・」






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