DREAMERS AGAIN SCENE.4
シャープは俺に根負けしたのか、一台のバイクの前に俺を連れてきた。
「そんなに高松に行きてえのかよ・・・それなら文句ねえだろ!
最高速度320km/hっつーのは不満かい?ホンダのブラックバードだ!」
「けどよ・・・今更高松に行ってどうするんだ?」
俺は返す刀で
「そんなことは俺が決めるのさ」
と言い、キーを受け取った。
そして翌早朝・・・
「フロントもリアも一番硬くしてるから、しっかり走らねえと曲がらねえぞ」
シャープに文句を言われながらバイクにまたがりエンジンをかける
ビックバイク特有のエクゾーストノートが俺をその気にさせる・・・・
いつもの通り、16号線から八王子インターに。
2年ぶりにバイクに乗った・・・体が覚えているのか全く違和感を感じない!
いける!
いつもなら休んでいた諏訪湖SAも通過し、岡谷ジャンクションからの長いストレートに入る。
”あのとき”から2年か・・・針は240を指していた・・・まだいける!
30分も経たずして恵那山トンネルを通過
出発から3時間後、小牧ジャンクションを超え、名神に入る。
吹田から中国道に入り、神戸ジャンクションより山陽道と経由し、早島から瀬戸大橋に。
(注:97年当時、淡路道及び高松道は全通していないのでこのルートとなります)
鷲羽山トンネルを抜けると瀬戸内海が一面に広がる・・・
天気がいいので最高の眺めである。
一気にアクセルを開け、先を急ぐ・・・
高松西インターからの渋滞に悩まされたが、なんとか高松市内に。
うっすらとした記憶を頼りに真奈美の家を探す・・・・。
杉原邸の庭でいつもの様に真奈美が小鳥達と話していた。
「いい天気ね。あっつ・・・・・」
真奈美の前に見慣れぬ八王子ナンバーの大きなバイクが停まった
「あ、あのう、どなたですか・・・・」
真奈美はおどおどしながらこっちを見ていた
「手紙読んだよ。ありがとう。なんか逢いたくなったから来たぜ」
真奈美は一気に表情を変え
「来てくれたんですか!うれしい!」
と非常に嬉しそうな顔をしてくれた。
「すごいのに乗ってきたんですね。でも、もう乗っていいのですか?」
真奈美はあの事故の事を知ってるみたいだ・・・
「大丈夫。俺は不死身だし・・・」
うまくトボけようとするがうまくいかず、そんな姿を見て真奈美は笑う。
夕方、彼女とデートの約束をし、帰路についた。