DREAMERS AGAIN   SCENE.6



 1ヶ月程経ったある日の朝6時、自分宛に電話がかかってきた。


「真奈美の父だが、真奈美が倒れた。

君に頼みたい事がある。信濃町の慶応病院から血液をここまで運んでくれないか。

真奈美の血液型はA型でも特殊な型で、いつもこの病院からもらっていたが・・・

今回は緊急を要してるので頼む。手術は10時間後だ。真奈美の命がかかっている。一生のお願いだ!」


ショックだ。あんなに元気だった真奈美が・・・・・

急いで着替えて、駅へ急ぐ。運良く通勤特快に乗れた。

信濃町には7時半ちょっと前に着く。

慶応病院では真奈美の入院している高松の病院から連絡が来ていたので名乗り出ると

すぐに輸血用血液の入ったトランクを渡された。

急いで総武線に乗り、御茶ノ水乗換えで東京駅に行く。


だが・・・・


なんと、新幹線は車両故障で運転のメドがたっていない!

すぐさま旅行センターで高松行きの飛行機のチケットを探すが・・・満席

八方塞とあきらめかけたが・・・そうだ!ブラックバードで行けば何とか間に合う!

中央線に飛び乗り、シャープの家に急ぐ・・・・




「シャープ!ブラックバードを貸せ!急いでいるんだ!」



店に入るなり怒鳴ってきた俺を見てシャープ(父)は驚きながらも返答をした

「ブラックバードは車検に出したからもう無い。お前一体どうしたんだ?」

俺はいきさつを話した。すると店の片隅にあるバイクの所に案内された・・・



「お前、これに乗ってみるか?」



GSX1100S KATANAという古いバイクである。

雑誌などでは見たことがあるが、実際には乗った事が無かった・・・






「こいつは、今までのZZRやブラックバードとは一味違うぞ。

今あるのはこれだけだ。急がないと間に合わんぞ!

ただ、こいつにナメられるなよ!

高速での安定性に不安が残る奴だからな!」
俺はシャープ(父)の挑発とも言える発言に対してやってやろうじゃん!と決意した。






手術まであと8時間を切っていた・・・

久々に「戦闘服」に袖を通す。なんだか知らないが身の震えが止まらない・・・・・

この大仕事が終わったら、真奈美に一言言いたい・・・・・

「愛しているんだ」と。




午前8時55分、福生。POINT OF NORETURN!



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