少佐、日本へ
ドイツ、ボンのNATO情報部
「エーベルバッハ君、今回の任務だが、日本に行ってもらう」
部長が少佐に対して命令を下すと・・・
「部長、今回の任務は何でしょうか?イスラム過激派ですか?西ドイツ赤軍ですか?」
部長はニヤりとしながら答えた
「長崎という所でシーボルトという150年位昔、日本に来たドイツ人を記念する祭りがある。
そこでハプスブルグ家伝来のバイオリン、通称マリアテレジアのバイオリンを演奏するイベントがあるのだが・・・
そのバイオリンの警備を日本の警察から依頼された。」
と言い、バイオリンの写真を見せると・・・少佐は一気に表情を変えた
「部長、これは・・・あのジョンブル野郎が好きそうな代物じゃないですか!奴は絶対に来ます!」
部長はもう一枚写真を取り出して話を進める
「そこでだ、君はこのバイオリンを演奏する少女をマークしてもらいたい。
アキラ・エンドウという結構長身の美人だ・・・そういえば君はギムナジウムでバイオリンをやってたよな?
しかもそれに対しての知識もあるだろ?それをネタに接近しろ!以上だ。」
部長が去った後、少佐は半ば呆れた顔をしてぼやく
「まったく、部長もいい気なもんだ。俺はやってたといっても、ほんのちょっとカジった程度なのに・・・」
そして、部長から渡されたシーボルト祭のパンフレットを見てると目に入ったものがあった
「アマチュアロックバンドライブ出演者募集か・・・・そうだ!あいつを使うか・・・・」
少佐はすぐさま電話を入れると一人の青年がやってきた。
「ウムラウト、お前、東ベルリンでバンドやってたよな?」
青年はうなずきながら
「少佐、自分は何をすればよろしいのでしょうか?」
少佐は部長からの指示を伝え、彼にも任務を告げる
「要するに、アマチュアロックバンドのメンバーとして裏から警備を行って欲しい。」
少佐は一人の少女の写真を取り出す。
で、それをやるために、この少女に近づけ・・・チエ・マツオカというお前みたいな感じの少女だ。
彼女はこの地域のバンドの「顔」だ。うまく取り入って彼女のバンドと供にフェスティバルに潜り込め。」
彼は自分の初仕事の内容に驚いていた。
「そういえば、お前は今回が初陣だな。でも失敗は許さんぞ!」
少佐は矢継ぎ早に他の部下達に連絡を取り始めた。
そして・・・
「部下アー・ベー・ツェー・ツェット、そしてウムラウト!大至急準備しろ!」
「明日の午前の関西空港行きのルフトハンザで出発だ!」
つづく