接触(1)
 
JR長崎線の特急かもめ


少佐達はウムラウトよりひと足先に長崎に向かっていた



「何故、NATOが日本で活動するのかね・・・?」


と前の席にいた男が口走った

「日本の警察から依頼された。それよりも何故お前達がいるんだ。KGBが何の用だ?」


仔熊のミーシャと白熊である。


「祖国戦争(日露戦争)のロシア人戦没者の慰霊祭があるから来たんだ。特に用は無い。」


少佐は彼らに目で合図し、

「日本の公安がお前らを尾行しているぞ。下手な事はやめろ」

と警告した。




 長崎駅


「部下アー・べー、県警本部に行って来い。ツェーとツェットは車を確保しろ」

少佐は列車を降りるなり部下達に命令を下す。


ツェットが駅レンタカーに向かう途中、見覚えのある男を見かけた・・・

「しょ、少佐!大変です!ジェイムズ君がいます!」


少佐は何かをひらめいた様な顔をして

「あいつの目の前に小銭を撒け!ふん捕まえたら便所に放り込め!」


ツェーが小銭をわざとバラ撒くと、音に釣られてジェームズ君が一目散にやって来た



「はい、ご苦労さん!」



ツェーとツェットに捕らえられ、便所に連れ込まれる

「僕を汚物扱いしたのは誰だ!」

いじけるジェームズ君の前に少佐が現れる

「久しぶりだな。伯爵は来ているのか?」

ジェームズ君は不愉快な顔をして回答を拒否するが・・・

「日本円の札束だ。欲しくないのか?」

ジェイムズ君は目の色を変えて正直に全てを話すが・・

「うそつき〜!」

便所に閉じ込められてしまった

「バカめ。誰がやるかフン!」

すぐさま少佐は部下達に伝えた

「妙な事になったぞ。エロイカはミスエンドウの父親のビジネスパートナーという表の顔を持っている。

奴は今、彼女の家に泊まっている。フェスティバル終了と供にかっぱらうつもりだ。」




長崎県警本部


少佐達は県警本部長より歓迎され、改めて警備の依頼を受ける。

会議室で作戦会議を始めた。

「明日から俺はミスエンドウを尾行する。お前達は遠藤家を監視しろ。」



つづく